中国会計制度の概要

中華人民共和国の会計制度は、二段階の構成になっています。1999年に改正版が公布された『会计法』(会計法)と、2006年に公布された『企业会计准则』(企業会計准則)です。

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会計法とは

会計法は、企業会計の目的や会計に関する法律の所管元、会計帳簿を付けるうえでの注意事項などを定めており、抽象的に会計の意義や義務を明文化したものです。「証拠書類の記載内容を改ざんしてはならない」などの基本的なことが書かれております。この法律の中で特筆すべきは以下の内容です。

第十一条 会计年度自公历1月1日起至12月31日止。

上記は、「会計年度(決算期)は(旧暦ではなく)西暦の1月1日から12月31日とする」という意味です。日本の会計年度の開始日と終了日は法律で定められているわけではなく、大多数の企業が4月1日から翌年3月31日としていますが、キヤノンのように1月1日から12月31日とする企業もあれば、ユニクロのファーストリテイリングのように9月1日から翌年8月31日としている企業もあります。中国では日本のように会計年度の開始日と終了日が任意なのではなく、法律で1月1日から12月31日と定められています。

とすると、例えば、会計年度が4月から3月の日本親会社と会計年度が1月から12月の中国子会社が連結決算する、ということになっても、中国側の会計年度は法律で固定されているので、変えることはできません。私が以前いた会社では、中国現地向けの財務諸表と日本親会社向けの報告用財務諸表と二種類を作成していました。日本親会社のお偉いさんから「中国子会社も現地で4月から3月決算でやれ」などと言われることもありましたが、このような法的根拠を反論材料としていました。

企業会計准則とは

企業会計准則は、概念フレームワーク(conceptual framework:会計基準の基礎となる考え方)とそれぞれの項目別の規則から成り立っており、会計処理の基準を定めたものです。現状の企業会計准則は2006年に公布されたものが最新で、以後、項目ごとに追加や修正がなされています。構成は国際会計基準(IFRS)を意識したつくりとなっており、国際会計基準審議会(IASB)の議論の成果を中国式に解釈した内容が盛り込まれております。

『企业会计准则——第1号——存货』『企业会计准则——第4号——固定资产』などのように、項目別に会計処理の仕方を取り決めています。日本から進出している日系企業のほとんどはこの企業会計准則に従う必要があります。(他に『小企业会计准则』というのもありますが、適用される企業は限定されています)

発生主義か現金主義か

基本的には発生主義で費用・収益を認識します。『企业会计准则——基本准则』には以下のような規定があります。

第九条 企业应当以权责发生制为基础进行会计确认、计量和报告。

上記の权责发生制が発生主義のことです。

ただし、企業によって費用・収益の認識基準が異なるのは当然なので、企業会計准則上では認識基準をいくつかの条件で定めております。例として『企业会计准则——第14号——収入』にある商品販売時の売上計上条件を挙げます。

第四条 销售商品收入同时满足下列条件的,才能予以确认:
(一)企业已将商品所有权上的主要风险和报酬转移给购货方;
(二)企业既没有保留通常与所有权相联系的继续管理权,也没有对已售出的商品实施有效控制;
(三)收入的金额能够可靠地计量;
(四)相关的经济利益很可能流入企业;
(五)相关的已发生或将发生的成本能够可靠地计量。

第四条 商品販売による収益は以下の条件を同時に満たす場合に認識できる。
(一)企業が商品の所有権に係る主要なリスクと報酬を買取り先に移転させたとき。
(二)企業がすでに所有権に通常関連する継続管理権を失い、販売した商品に対し有効なコントロールを及ぼせなくなったとき。
(三)収益の金額が信頼性をもって計測できること。
(四)関連する経済利益が企業に流入すること。
(五)関連するすでに発生したもしくは発生する原価が信頼性をもって計測できること。

現実の企業活動では、様々な商流や商品引渡しのケースがありますので、一概に「いつの時点で売上」というような定義の仕方ではなく、企業自身が自社の商売の状況を上記規定に当てはめて、いつ売上計上するかを判断することになります。

次からは、財務諸表や勘定科目で使う中国語を見ていきましょう。

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