外資企業の登記法務手続き

中国における外資企業(外商独資企業)の法務手続きにはコツがありますので、ここで紹介しましょう。

実は、そのコツは外資企業が従うべき《外商投资企业法》にちゃんと書いてあります。

《外商投资企业法》2000年10月31日
第六条 设立外资企业的申请,由国务院对外经济贸易主管部门或者国务院授权的机关审查批准。审查批准机关应当在接到申请之日起九十天内决定批准或者不批准。
第七条 设立外资企业的申请经批准后,外国投资者应当在接到批准证书之日起三十天内向工商行政管理机关申请登记,领取营业执照。外资企业的营业执照签发日期,为该企业成立日期。

参考訳:
第六条 外資企業を設立する申請は、国務院対外経済貿易主管部門(=各地域の商務部傘下部門)あるいは国務院から権利を与えられた機関により審査・認可する。審査・認可機関は申請日から90日以内に認可あるいは不認可を決定しなければならない。
第七条 外資企業を設立する申請が認可されたのち、外国投資者は認可証書を受領した日から30日以内に工商行政管理機関(=各地域の工商行政管理総局傘下部門)に登記申請し、営業許可証を受領しなければならない。外資企業の営業許可証発行日を当該企業の成立日とする。

まず、設立登記の段階で、対外経済貿易主管部門にて認可を受けて《批准证书》(認可証書)を発行してもらってから、工商行政管理機関に行って《营业执照》(営業許可証)を発行してもらいます。この2段階が完了すれば、後は税務当局を含む他の政府各部門に《批准证书》《营业执照》を届け出るだけです。(もちろん土地の借地権取得や工場建設認可はまた別途やらなければなりません)

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会社設立後の手続き

さて、会社設立後、経営範囲を拡大したいとか、増資したいとかいう状況になった場合も、このルートで変更の申請手続きをすることになります。対外経済貿易主管部門で認可→工商行政管理機関に申請の流れは会社設立後も変わりません。

よって、外資企業の登記手続きで何か聞きたい・調べたい・相談したいなどの事柄があったら、まず各地域の商務部傘下部門である対外経済貿易主管部門がどこかを特定する必要があります。地域によって名前が異なりますが、リンクに紹介してある商務部のHPから探して見つけることができるでしょう。対外経済貿易主管部門を特定したら、直接その部門に出向くか、ツテを頼りに相談に行くと答えが見つかるはずです。

登記法務手続きをコンサル会社などに依頼する場合

自社で手続きすることができずにコンサル会社などに依頼する場合は、そのコンサル会社が当該地域の対外経済貿易主管部門に強力なコネをもっているかどうかを事前に確認した方が良いでしょう。大都市には、日本の大企業が進出する際に頼りにした地元のコンサル会社がだいたいあるはずです。そういった日系企業の進出に特化したコンサル会社なら、対外経済貿易主管部門の中の人とも顔見知りだったりするので、話が早く進むでしょう。

経験の少ないコンサル会社などに頼むぐらいならば、自社の現地社員に任せた方が早い場合もありうるので、コンサル会社選びは注意が必要です。

会社名称についての注意事項

なお、日本の「○×△株式会社」が上海に「○×△(上海)有限公司」という会社を設立する場合は、話が上海市内で完結しまが、「○×△(中国)有限公司」という名前の会社を設立する場合は、重複名称の調査などの手続きで北京に行く必要があるので、ご注意ください。

税務当局を含む他の政府各部門とは

上の方にサラッと「税務当局を含む他の政府各部門」と書きましたが、この中には各地域の国家税務局・地方税務局、税関、中国人民銀行、労働局など10を超える機関があります。これらの他の政府各部門への届け出は、前述の対外経済貿易主管部門と工商行政管理機関の審査ほどは厳しくはないので、それほど難易度は高くありません。しかし手続きにかかる時間はどうしても発生してしまいますので、事業開始の日程と登記法務手続きの進捗との兼ね合いはしっかりと管理する必要があります。

また、手続き内容の重要度によって、最寄りの出張所みたいな出先機関でできる場合と地域の中心部に行かないとできない場合があります。現地社員とよくコミュニケーションをとり、情報収集をしながら手続きを進めることも登記法務手続きを早く完了させるコツの1つです。

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