文化人類学者の西江雅之氏に学ぶ外国語学習法

今年の6月に驚きのニュースを目にしました。文化人類学で有名な西江雅之氏ご逝去のニュースです。

私は学生のころ、早稲田大学で西江氏の授業を取っていました。一般教養科目の「文化人類学」の授業で、今から15年くらい前のことです。大学で聞いた講義は9割がた内容を忘れているけども、西江氏の講義内容だけは今でも鮮明に覚えています。それほど強烈な印象で、しかもその講義内容は私のその後の人生にも大きく影響しました。

「文化人類学」の授業は確か通年で4単位の講義だったと思います。一般教養科目なので、400人を収容できる文学部でも一番大きな講義室での講義でした。そんな中でも、西江氏の講義は常に笑いが起こるような、学生を惹きつける内容でした。

講義の内容は「文化や言語の見方」と言ったらよいでしょうか。教科書的な系統立った知識ではなくて、「食べ物」や「衣服」といった身近なテーマから文化人類学的な見方を養うというような授業でした。

そんな西江氏は数多くの言語をあやつることで有名でした。日本で初めて現地でスワヒリ語を研究した学者としても知られています(文献ベースでのスワヒリ語研究者は西江氏以前にもおられたそうですが)。

大学卒業後は一切お会いしたこともなかったし、著書を拝読したこともありませんでした。ただ、言語習得という観点では面白い話をしていただいた記憶があるので、西江氏の著作を取り寄せてみることにしました。

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西江氏の著作

ほとんどが絶版になっていて、新品は入手しづらい状態になっています。Amazonでもマーケットプレイスの古本から購入するか、もしくは日本の古本屋のようなサイトから取り寄せる方法があります。

月刊言語

さっそく古本を1冊購入してみました。大修館書店から出版された『月刊言語』という雑誌の2001年5月号(Vol.30, No.6)です。

西江雅之の外国語学習法

『月刊言語』2001年5月号の「<達人伝授>外国語学習法」という特集記事に西江氏が「さまざまな言語に出会った。」というタイトルで4ページのエッセイを寄稿されています。そのエッセイの最後の方から以下引用します。

最後に、第二言語学習でわたしが心の支えとしてきたことを挙げておこう。

(1)“忘れるのが当然”という自信を持つ。忘れては学び、ということを繰り返す。学習は定期預金ではないので、予定通りに自動的に脳のなかで内容が増すことはない。

(2)巷の人々が言うような意味では、ある言語を完全にマスターすることはできないと確信する。自分の必要に応じて“適度に使える”だけである。

(3)時々、間があいても勉強をやめない。進歩を気にせず“学習し続ける”。いつも学習言語での単語や表現を考える癖をつける。

(4)“努力”。そして“集中”。

(5)「どうすれば、外国語を簡単に身につけられるか」などと考えている暇に、その学習言語では、その文をどう言うのかを考える。

(6)“動機”。これが最も重要だ。国際人になりたい。商売で使いたい。外国語マニアになりたい。人それぞれ動機の内容は異なるだろう。いずれの場合も、日本では第二、第三言語は、学習者を新しい世界へとつなげるものだ。そうした世界への憧れを持つことが、何よりの秘訣なのかもしれない。

西江氏が第二言語学習で心の支えとしてきた6項目が挙げられています。(原文では3が重複していましたが、明らかな誤植であるため、ここでは修正しておきました)

外国語学習法に王道はあるか

外国語学習法については、ユーウェン中国語講座|中国語学習法|効果的な学習法にも書いているとおり、努力して繰り返し練習しなければ、外国語は身につきません。

世間ではどうしても「○○をやれば絶対に上達する」という記事が注目を集めがちですが、肝心の「外国語で何というか」という記事はほとんど注目されません。これでは、みな外国語を学習して使えるようになりたいという意思はあっても、外国語学習法を知ってそれでおしまい、という状態に陥ってしまうのです。

外国語学習は繰り返し努力がキーワードになります。努力して繰り返しその外国語を使わない限り、上達することはありえません。この繰り返し努力の仕方は本人の動機が最も重要となります。そういう意味では「外国語学習法に王道はない」と言えるかもしれません。

西江氏の言葉は、分かりやすくそのことを伝えています。

外国語の上達を望む方へ

「外国語が上達しない」「どうやったら外国語が上達するのか」とお悩みの方は、まず「外国語が上達しない」という言葉をその目標言語で言ってみましょう。主語はいるのか、「外国語」を目標言語で何というのか、「上達する」は動詞か形容詞か、否定はどうやっていうのか、それらを自分で調べて言えるように努力することが出発点です

そして繰り返し練習しましょう。記憶に残らないのは繰り返しが足りないだけです。どんどん繰り返して定着を目指しましょう。

マーケティング的には「見るだけで中国語が上達するユーウェン中国語講座」とか「ユーウェン中国語講座に書いてあることを信じればあなたも明日から中国語がペラペラです」などと言えばいいのかもしれませんが、私はそのようなウソは絶対に言いません。だって努力せずに外国語が上達するなんてことは絶対にありえないことですから。皆さんが私のホームページを参考に自己努力に励んでいただければ中国語は上達するはずだと私は思うのです。

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