冷笑話と冷知識って何?

中国のネット上に冷笑话lěngxiàohuà)と冷知识lěngzhīshi)という新語があります。それぞれ意味は次のとおりです。

冷笑話と冷知識の語義
冷笑话:人を凍りつかせるようなつまらないダジャレやギャグ、おもしろコピペ
冷知识:知っていてもあまり役に立たない意外な知識、トリビア

冷知识はまさにトリビアとイコールと言ってもいい用語です。以前テレビ番組で『トリビアの泉』という番組が放映されていたので、意味は想像しやすいでしょう。冷笑话は適切な訳語がなく、寒いギャグとでも訳そうかと思ったのですが、内容的には日本のネットでもよく見るおもしろコピペに近いものです。日本のおもしろコピペの一例を挙げてみましょう。

店員「当店のポイントカードはお餅でしょうか」
ぼく「えっ」
店員「当店のポイントカードはお餅ですか」
ぼく「いえしりません」
店員「えっ」
ぼく「えっ」
店員「まだお餅になってないということでしょうか」
ぼく「えっ」
店員「えっ」
ぼく「変化するってことですか」
店員「なにがですか」
ぼく「カードが」
店員「ああ使い続けていただければランクがあがってカードが変わりますよ」
ぼく「そうなんだすごい」
店員「ではお作りいたしましょうか無料ですよ」
ぼく「くさったりしませんか」
店員「えっ」
ぼく「えっ」
店員「ああ期限のことなら最後に使ってから一年間使わないときれます」
ぼく「なにそれこわい」
店員「ちょくちょく来ていただければ無期限と同じですよ」
ぼく「なにそれもこわい」
店員「えっ」
ぼく「えっ」

私、これ個人的には大好きなんですよね(笑)。ただ単に「お餅」と「お持ち」の勘違いなんですが、「えっ」のタイミングが秀逸で笑えます。冷笑话もこのようなおもしろコピペに近い性質を有しています。プッと吹き出すようなちょっとした笑い話ですね。

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冷笑話の例

それではいくつか中国語の冷笑话の例を見てみましょう。長いもの、短いものそれぞれありますが、ここでは短いお話をご紹介します。

【冷笑话1】
问:你姓啥?
答:我姓魏。
问:魏什么啊?
答:不为什么,我爸姓魏我就姓魏。

【参考訳】
問:君の苗字は何?
答:私の苗字は「魏」。
問:魏何って言うの?
答:理由なんてないよ、父の姓が魏なんだから私の姓も魏なんだよ。

これ個人的にはおもしろいなと思いました。聞いている側は「苗字が魏というのは分かったけど下の名前も聞きたい」と思って「魏什么 wèi shénme」と聞いたのに対し、聞かれた方は「为什么 wèi shénme(なぜ)」と聞かれたと思って返答してるんですよね。発音が全く同じで、まさに「電話に出んわ」級のダジャレなのですが、現実でも発生しうる会話なので思わず吹き出してしまいました。

【冷笑话2】
问:阿拉丁有几个哥哥?
答:三个,阿拉甲,阿拉乙,阿拉丙。

【参考訳】
問:アラジンにはお兄さんが何人いるでしょうか?
答:三人ですね、アラ甲、アラ乙、アラ丙。

童話『アラジンと魔法のランプ』のアラジンを中国語では「阿拉丁 Ālādīng」といいます。この最後の文字が甲乙丙丁の丁なのでこのようなネタに仕上がったということです。こちらはダジャレと言うよりはナゾナゾと言った方がいいかもしれません。

【冷笑话3】
问:一个七分熟的牛排和一个五分熟的牛排相遇了,可它们却没有打招呼,为什么?
答:因为都不熟嘛。

【参考訳】
問:(焼き方が)ミディアムウェルのステーキとミディアムのステーキが出会いました。でも彼らは挨拶をしませんでした。なぜでしょう?
答:なぜならどちらも相手のことをよく知らないからでしょ。

これもナゾナゾのようなギャグのような微妙なお話です(笑)。には「(食物に)完全に火がとおる、煮あがる」と「(人や場所などを)よく知っている」という二つの意味があります。同じ漢字で違う意味をもつ単語を使って遊んでいるような文ですね。ちなみにの発音には「shú」と「shóu」の二通りあって、どちらもよく使われます。意味によって発音を区別しているわけではないので、実際どちらの発音でもOKです。

【冷笑话4】
一天,茄子走在大街,忽然打了一个很大的喷嚏。它抹了把鼻涕生气地说:“又TMD在拍集体照了!”

【参考訳】
ある日、ナスが大通りを歩いていると、突然大きなクシャミをしました。彼は鼻水をぬぐって怒りながら言いました「くそっ、また集合写真撮ってやがるな!」

これなかなかウィットに富んだ文章だなと思ったのですが、いくつかの前提知識がないと何がおもしろいのかわからないかもしれません。まず「茄子 qiézi」は野菜のナスのことです。そして中国にも日本と同じように「クシャミをするってことは誰かがウワサをしているからだ」という言い方があります。最後に集合写真を撮る際の掛け声、日本では「チーズ」ですが中国では「茄子」です。つまり、誰かが集合写真を撮っているということは誰かが「茄子」と言っているので、そのたびにナスさんがクシャミをするんですよという話なんですね。

なお、TMDは「他妈的 Tā mā de」のピンインを略して表示したものです。「くそー」とか「ちっくしょう」といった意味のわりと汚い言葉なので、自分からは使わない方がいいでしょう。

ここまで読み終った皆さん、いかがでしょうか。中国ネットで人気の冷笑話、大爆笑ですか?えっ、つまんないって?はい、そのつまんなさ、そしてくだらなさが冷笑話なんですよ。中国人の友人がドヤ顔で冷笑話をしてきたら「好冷啊 hǎo lěng a(さむっ)」とでも返してあげてください(笑)。

補足:肉の焼き具合

本文中に出てきたステーキの焼き具合について他の言い方を見ておきましょう。

一分熟
Yī fēn shú
レア
三分熟
sān fēn shú
ミディアム・レア
五分熟
wǔ fēn shú
ミディアム
七分熟
qī fēn shú
ミディアム・ウェル
全熟
quán shú
ウェル・ダン

以上、冷笑話・冷知識の解説でした!

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