中国五台山のお寺めぐりその1(殊像寺・五爺廟)

これから数回に分けて五台山(中国山西省)のお寺めぐりの記事をアップしていこう。

五台山には有名な寺院だけでも40数軒ある。大小さまざまな全てのお寺を合わせると、124軒にものぼるそうだ。当然、2~3日程度の滞在では全てをまわることは不可能だ。

初日(2016年5月5日)は10軒のお寺を訪問した。今日はそのうちの2つ、五台山メインのお寺ともいえる殊像寺(中国語:殊像寺 Shūxiàng sì)と五爺廟(中国語:五爷庙 Wǔyé miào)について書いてみよう。

今回もまた参拝の様子を写真とともに紹介しよう。

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殊像寺

まずは五台山で最も有名な寺院である殊像寺へと向かった。殊像寺は泊まった宿からは歩いてすぐのところにある。この殊像寺と五爺廟にはちゃんとした参拝方法があるというので、宿の女将が一緒に来てくれていろいろと教えてくれた。

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大きな駐車場が近くにあり、多数の車が停まっている。階段をのぼると、少し開けた場所に出た。

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まずここで線香を上げる。みな線香に火をつけているので、煙がもくもくとしている。

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線香はこれを使う。これはなんと殊像寺で文殊菩薩に拝礼するための専用の線香だ。宿を出る前に宿で買っておいた。価格は20元である。

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仏教で3の倍数は縁起の良い数とされているため、この線香は1本が9本の細い線香の束になっており、その束が6本で1つのセットとなっている。これ全部に火をつけよう。

参拝の仕方は次のとおりだ。火をつけたら6本の線香を両手でもつ。この際、左手を上に、右手を下にする。そして四方を向いて各3回拝礼(お辞儀のように頭を下げる)する。具体的にはまず東(門に向かって右)を向いて3回、南(門の反対側)を向いて3回、西(門に向かって左)を向いて3回、最後に北(門の方向)を向いて3回お辞儀をする。四方への拝礼が終わったら、線香は先ほど火をつけた炉の中に投げ入れよう。これでまず入口の門へ入る前の儀式は終了だ。

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入口の門へ入る。ここで注意しなければならないのは、五爺廟の参拝専用線香を持ってここの入口に入ってはならないということである。もし五爺廟参拝専用線香を持っていたら、左の青い服を着た人に預けておき、後で出てきたときに返してもらうようにしょう。宿の女将がいろいろと教えてくれたので私はわかったのだが、中国人参拝客でも知らない人が多いらしい。五爺廟専用線香を持ったまま入ろうとして、青い服の人に「エイエイエイ!」と言われている人もいた。

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中に入ったら次は燈に火をともそう。この燈は蓮の花の形をしたろうそくだ。2つで1セットでお釈迦様の目を表すとのこと。あらかじめ2個10元で宿で買っておいたので、ここで火をともし、壇に置いた。

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ここまで来たらやっと本堂の大文殊殿へと入ろう。大文殊殿の中には五台山に住むと言われる文殊菩薩の像がある。五台山で最も大きな文殊菩薩像だ。宿の女将から「仏像は写真に撮っちゃダメよ」と言われていたので本堂内の写真は撮ってない。

ここの文殊菩薩像は文殊菩薩騎獅子像で、日本の奈良県にある安倍文殊院の「渡海文殊」の形象によく似ていた。大きな青い獅子に文殊菩薩が片足を垂れてまたがる。その獅子を引く優填王、周りに立つ善財童子と維摩居士(最勝老人)、須菩提(仏陀波利)。獅子が今にも吠えそうに口を大きく開けていたところが安倍文殊院とは異なるところだ。また、大きさも殊像寺の方がずっと大きかった。

↑参考までに安倍文殊院のホームページへのリンクを貼っておこう。

また、文殊菩薩像の周囲の壁には一面に五百羅漢の像が配置されていた。彩色も派手で圧巻だった。

なお、五台山の寺院や仏像は文革期にそのほとんどが破壊されたそうだ。特に明記はされてなかったが、殊像寺の仏像も80年代以降に制作されたものとみて間違いはない。

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メインの大文殊殿への参拝を終え、入ってきたときとは別の出口から出てきた。ここの石造りの階段は以前は舗装されていない山道だったらしいが、水泳の飛び込みで有名な郭晶晶さんが出資して整備したとのこと。他にも最近ではジェット・リーさんなど、この五台山には中国だけでなく香港や台湾からも有名人が数多く参拝に訪れるそうだ。

五爺廟

五爺廟は龍王の5人の息子のうち、5番目の息子である広済龍王を祀っている廟だ。康熙帝をはじめとして、清代の歴代の皇帝も参拝に訪れたとのことだ。現在はここでの願い事は必ず叶うと評判らしい。そのせいか最も人の多いお寺だった。

殊像寺から五爺廟は500mほど離れている。ここも徒歩で向かった。

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道の脇にはレストランや仏具店が軒を連ねていた。この干支ごとにご縁のある仏様は日本と同じようだ。

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さて、ここ五爺廟では殊像寺とは参拝の方法が若干異なる。殊像寺では先に線香で四方に拝礼し、線香を燃やした後で燈に火をともした。こちらの五爺廟では順序が逆で、まず燈に火をともす。そしてその燈の火でもってこの五爺廟専用線香に火をつけるのだ。その後で四方に拝礼し、線香は燃やす。

実際のところ、この五爺廟専用線香は外箱が違うだけで中身は同じようである(笑)。

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このように自分で持ってきた燈の火でもって線香に火をつけるのが五爺廟流なのだ。

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ここ五爺廟も殊像寺と同じく、参拝客で賑わっていた。

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参拝を終え、出て行こうとすると、入口に近いステージ(中国語:戏台 xìtái)で晋劇が始まった。このステージは清代に建てられたそうである。高い声でマイクをつけていたので、唄がよく響いた。少しの間見ていたかったが、ここで立ち止まっていると後の時間がなくなってくるので、数分でその場を切り上げ、次のお寺へと向かった。

殊像寺・五爺廟関連用語

それでは殊像寺・五爺廟に関連する中国語を見ておこう。

殊像寺
Shūxiàng sì
殊像寺
五台山の中心的な寺院。本尊の文殊菩薩像は五台山の中でも最大。
五爷庙
Wǔyé miào
五爺廟
殊像寺とともに五台山で必ず行くべき寺院の1つ。
烧香
shāo//xiāng
線香に火をつける
「線香」という名詞は、「線香に火をつけて最後に燃やす」ときの動作で動詞にを使う。
点灯
diǎn//dēng
燈に火をともす
「燈」という名詞は、「燈に火をともす」ときの動作で動詞にを使う。ろうそくのようになっていて火をともすのがふつうであるが、最近は電球を使った燈もある。
拜佛
bài//fó
仏を拝む
「XX(←お寺名)に行く」といいたいときに去XX拜佛という表現をよく使う。
佛像
fóxiàng
仏像
仏教における神象を表したもの。
戏台
xìtái
舞台
劇を披露するステージ。
文殊菩萨
Wénshū púsà
文殊菩薩
「三人寄れば文殊の知恵」のことわざどおり、知恵に秀でた仏といわれる。中国山西省の五台山に住むとも伝わる。梵字はマンジュシュリー(英:Manjushri)。優填王、善財童子、仏陀波利、維摩居士とともに文殊五尊として獅子に跨がった形象が有名で、絵画や仏像などで用いられた。
优填王
Yōutián wáng
優填王
ウダヤナというインド・コーサンビー国の王。文殊五尊図では文殊菩薩の跨がる獅子の首輪を引く姿で表されることが多い。
善财童子
Shàncái tóngzǐ
善財童子
仏典に登場する童子。華厳経において文殊菩薩に導かれて仏法求道の旅へと出発する。
佛陀波利
Fótuóbōlì
仏陀波利
北インドの僧。文殊菩薩を追い求めて五台山にたどり着いたとされる。
维摩诘
Wéimójié
維摩居士
「ゆいまこじ」。梵字はヴィマラ・キールティー(英:Vimalakirti)。古代インドの商人で、釈迦の弟子と伝わる。
华严经
Huáyán jīng
華厳経
初期大乗仏典の一つ。釈迦の悟りの内容が書かれているといわれている。善財童子の求法の旅もおさめられている。
广济龙王
Guǎngjì lóngwáng
広済龍王
五爺廟の本尊。ふつう仏教では祀られないが、五台山では特別に文殊菩薩の化身として扱われている。父親の龍王に5人の息子がいて、広済龍王はその5番目の息子と伝わる。

以上、五台山のお寺めぐりその1(殊像寺・五爺廟)でした!

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