113番元素ニホニウム(Nh)の中国語漢字が決定!

2017年2月15日付けで科学技術用語を中心とした学術用語全般を決定する全国科学技术名词审定委员会という機関がニホニウム(113番元素、英語名:Nihonium)の中国語を発表しました。概要は次の公式ウェブサイトに掲載されています。

上記ウェブサイトによると、ニホニウムの中国語は「金へんに尔」と決まりました。現状で簡体字にない字なので画像編集ソフトで自作してみたのが次のとおりです。

他に115番元素モスコビウム(Moscoviu、Mc)は「金へんに莫」、117番元素テネシン(Tennesine、TS)は「石へんに田」、118番元素オガネソン(Oganesson)は「气がまえに奥」と決まったようですね。

これら4つの全国科学技术名词审定委员会で決まった名称は、最終的に国家语言文字工作委员会という組織の審査を経て正式に使用され始めるとのことです。

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解説

元素名を中国語の漢字にするには、へんもしくはかまえについて次のような規則を採用しています。

  • 金へん:金属
  • 石へん:常温で固体かつ非金属
  • 气がまえ:常温で気体
  • さんずい:常温で液体

つくりについては、中国語読みの音を表す音符をあてることが多いようです。

さて、公式発表において漢字は決定されたのですが、それを中国語でどう読むのかまだわからないようですね。対応するピンインも発表してくれたらと思うのですが特に何もアナウンスされていないようです。名称を決めた経緯についても何も語られていないようなので、ここからは私の想像で書いてみます。

モスクワの研究所にちなんでなづけられたモスコビウムは音符に莫 mòを使っていますが、これはモスクワの中国語莫斯科 Mòsīkēの頭からとってきたものです。同様に、アメリカのテネシーの研究所にちなんでなづけられたテネシンは音符に田 tiánを使っていますが、これはテネシーの中国語田纳西 Tiánnàxīからですね。オガネソンはロシアの原子核物理学者ユーリイ・オガネシアンの名前にちなんで名付けられたので、その学者の中国語表記尤里 奥加涅相から奥 àoをもってきたものと思われます。

この三つの漢字を紙の『新华字典』でひいてみると、モスコビウムの漢字だけ镆 mòと載っていました。他の二つは載っていません。いったん整理してみましょう。

  • モスコビウム:漢字は「金へんに莫」、簡体字で、ピンインは
  • テネシン:漢字は「石へんに田」、ピンインは恐らくtián
  • オガネソン:漢字は「气がまえに奥」、ピンインは恐らくào

肝心のニホニウムはというと、事前予想では「金へんに日」のになるという予想が多かったようですが、最終的には「金へんに尔」になりました。中国語の辞典でを調べてみると、化学元素“锗”的旧译と出てきます。以前、ゲルマニウムの漢字として使ってたみたいですね。では「金へんに尔」は昔からある漢字なのでしょうか。オンライン中国語辞典の漢典で調べてみました。

ピンインはで意味は古同“玺”と出てきます。つまり三国志などでおなじみの皇帝の印章を意味する玉璽の璽ですね。は璽の簡体字です。他に異体字として二つ挙げられています。絹糸を巻く道具を表す、ピンセットを表す。リスト化して見てみましょう。

  • 玺 xǐ
  • 檷 nǐ
  • 镊 niè

なんとなくの発音になればNihoniumの音訳にいちばん近くなりそうですが、どうでしょうか。ここの判断は正式なピンインの発表を待ってみましょう。

最終的な審査を実施する国家语言文字工作委员会という組織は中国语言文字网というウェブサイトを運営しており、普通話の発音の規範についてのコンテンツもあるため、この組織により規範的なピンインが発表されると思われます。

既存の元素名については次のページに掲載していますのでご参考まで。

以上、113番元素ニホニウムの中国語漢字決定の記事でした!

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