蘇州散策記3~新型書店めぐり~

前回(太湖をめぐる旅)の続きで、今度は蘇州の書店めぐりをした記事です。旅行時期は2016年11月。

誠品書店と鳳凰書城は新しいタイプの書店だが、まずオーソドックスな中国の書店ともいえる観前街の新華書店から見てみよう。

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観前街の新華書店

中国の書店といえば新華書店(新华书店 Xīnhuá shūdiàn)を真っ先に思い出す。この観前街の新華書店も10年前からここにあった。

地方(内陸)の新華書店はまだバッグやリュックを預けないと入れないところがあるが、この蘇州の新華書店は昔から荷物を持ったまま中に入れる。無機質な内装に木製の本棚にずらっと本が並ぶ地味な感じは昔から変わりはない。ひとつ変わったことといえば、照明が多少明るくなったということか。そうはいっても中国の書店の照明は日本の書店と比べると室内が暗めだ。

ちょうど『現代漢語詞典』の第7版が新しく出て間もない頃だったので、平台で積極的に販促されていた。これは辞書で「辞」の字を現わしているのだろうか。

各階に売上ランキングが掲示してあった。2階は文学コーナー。6位~8位の3冊はいずれも東野圭吾の訳本だった。

10年前から何度も来た覚えのある書店で、内装は恐らく改修されているとは思うが、エスカレーターの位置など変わっておらずなんとなく懐かしく感じた。

園区金鶏湖東岸の誠品書店

次から新しいタイプの書店を見ていこう。園区金鶏湖東岸にある誠品書店(诚品书店 Chéngpǐn shūdiàn)は台湾資本の書店である。大陸進出第一号店がこの蘇州にオープンしたのは2011年だという。私は地下鉄1号線の文化博覧中心駅から歩いたが、ひとつ西の時代広場駅の方が近いかもしれない。いずれにせよ、そのふたつの間にある。

入口を入ってすぐに見えてくるこの階段が特徴的だ。右側が本のラベルのようになっており、名著のタイトルが書かれている。写真撮影スポットでもあるようで、来る人はみな自撮りをしたり記念撮影をしたりしていた。

店内もよくある中国の書店とは異なり、柔らかな明かりで良い雰囲気だ。

繁体字の本が平台で売られている。

スペースによって内装も異なり、ぶらぶらしてても飽きることはない。

日本の著作の訳本も多く目に入ってきた。落ち着いた風情でついつい長居してしまうことだろう。本とは全く関係ないが、トイレの手を洗うところの水がお湯だった。10年前の中国じゃ考えられない設備で驚いた。

園区金鶏湖西岸の鳳凰書城

次は園区金鶏湖西岸にある鳳凰書城(凤凰书城 Fènghuáng shūchéng)だ。名前が複数あって最初はどれが何のことかよく分からなかったのだが、建物全体を鳳凰広場(凤凰广场 Fènghuáng guǎngchǎng)といい、その中に超級書店 by 新華書店(超级书店 Chāojí shūdiàn)と自在複合書店(自在复合书店 Zìzài fùhé shūdiàn)の二つの書店が入っており、その二つをまとめて鳳凰書城と呼んでいるとのこと。そして店員さんに確認したところ、二つの書店はいずれも新華書店の系列だという。

この日は太湖に行ってきた帰りなので、日は落ちて既に暗くなっていたが、21時過ぎまで営業しているようである。

まず目に入ってきたのは自在複合書店。「2016-2017年度 江苏最美书店」のパネルが見える。

規模はそれほど大きくなく、扱う書籍の分野も少し偏っているけども、書籍の見せ方がうまい。思わず手に取って見たくなる雰囲気になっている。中身は新華書店ということで、店員さんのポロシャツにも「新華書店」と書かれていた。

多くの書籍が表紙が見えるように陳列されていて、なかなか贅沢なスペースの使い方だ。思わずここで本を1冊買ってしまった。

続いて上の階へ行くと超級書店 by 新華書店がある。

ここは品揃え豊富で、中身はまさに通常の新華書店といったところ。壁も平台も本棚も白で統一されており、さっぱりとした印象だ。

日本の文学書の訳本も平台に並べられていた。

こちらは階段に各国の名著のタイトルが表示されている。『シクスティナイン』というと村上龍の小説だろうか。

雑感

今回蘇州へ行っていろいろな変化を感じ取ったのだが、この新しいタイプの書店の出現は最も印象に残った。中国の書店といえば薄暗い照明の下で無造作に本が並べられているイメージだったが、ここまで本の見せ方にこだわるようになっているとは思いもよらなかった。今後、このような書店が沿岸部だけでなく内陸の方にも広がっていくのだろうか。これより少し前だが、河北省石家荘市と山西省大同市で行った書店では、入口でカバンなどを預けさせられた。そういう書店はいつの間にか過去のものになっていくのかもしれない。

以上、蘇州散策記3~新型書店めぐりでした!

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