中国のシェアサイクル体験記~上海と揚州で乗ったモバイク~

上海~江蘇省(鎮江・揚州・蘇州)の旅行の続きは最近中国で話題のシェアサイクルに乗った話を。今回1は上海と揚州で乗ってみた。

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ユーザー登録から乗車開始まで

シェアサイクルのサービスとしては有名なところではモバイク(mobike)とオフォ(ofo)の2社がある。WIFIのつながる場所で、この2つのスマホアプリをあらかじめダウンロードしておいた。乗りたい場所で目の前にあったのがモバイクの自転車だったため、モバイクにユーザー登録することにした。

モバイクのiOSアプリ

中国で使用するモバイクのユーザー登録は次の四つがあればできる。

  • 中国の携帯電話番号
  • パスポート
  • デポジット299元
  • スマホ決済機能(微信支付=WeChat Payもしくは支付宝=アリペイ)

パスポートはスマホで撮った画像を2枚アップロードするだけだ。パスポートの写真ページを撮った画像を1枚、パスポートの写真ページを広げて自分の顔と一緒に撮った画像を1枚の計2枚。パスポートの写真ページを撮るのは簡単だが、問題は自分の顔と一緒にパスポートを写す方の画像。人がいれば写してもらえばいいが、その時は周りに人がおらずスマホを立てかける場所もなかったため、なんとか手持ちで自撮りした。その2つの画像をアップロードし、微信支付でデポジットの299元を支払い、ユーザー登録手続きはとりあえず完了。

しかし、それからすぐに利用できるようにはならず、パスポートの画像が認証中となっていた。どの程度で認証されるか分からなかった。

モバイクにユーザー登録して3時間ほど経ってから再度アプリを起動してみたら、实名认证のところが已认证になっていた。どうやらもう使える状態になっているらしい。しかもユーザー登録してから最初の1ヶ月は月卡(120分乗り放題)がサービスで付いているらしく、2時間まで乗っても課金されないとのこと。

これだけで本当に乗れるようになっているか半信半疑だったが、ちょうど2kmほど離れたところに行く必要が出てきたので早速使ってみることにした。

乗車から乗り捨てまで

上海の市内はシェアサイクルの自転車が至るところに放置されている。

上海の鉄道駅近く、車道に並べられた自転車

スマホのアプリを起動すると、扫码开锁(コードをスキャンして鍵を開ける)と表示されている。そこをタップするとQRコードを読み込む画面に切り替わるので、それで自転車に貼り付けられたQRコードを読み込む。すると、自転車から音が鳴り、自転車の鍵が自動的に解錠される。これで乗車することができるようになった。説明書など何もないが、アプリの指示に従えば簡単に乗れてしまうようだ。

モバイクのアプリを起動したところ

少しブレーキの効きが悪いかなと思ったが、旅先で少し乗るぶんには便利この上ない。2kmほどこいで目的地に到着。適当な場所に自転車を停め、鍵をかける。すると自動的に乗車終了となって、アプリに乗車記録が通知される仕組みだ。

乗る場所が決まっているわけでもなく、停めて降りる場所も決まっているわけでもない。スマホがあれば他に何もいらない。未来を思わせるサービスで至極感心した。

実は今回、上海滞在は全部で3日とそれほど長くなく、最初のうちはシェアサイクルを使うつもりはなかった。念のためシェアサイクルのスマホアプリを入れておいてはいたものの、使い始めるにはデポジットの預け入れや本人確認が必要で、面倒と感じたていたからだ。

しかし、上海の郊外に行った時、路線バスの乗り継ぎを間違え、周りに何もないようなところで次のバスが全く来なくなった。そして炎天下の中、持っていた水も底を尽き、地下鉄の駅まで数km歩かなくてはならない状況に陥ることに。そんな時、建設中のマンションの工事現場出入口に見えたシェアサイクルの自転車!ここは使うしかないと思い、早速その場でユーザー登録をしてみたということだ。その後、ユーザー登録であたふたしているうちに路線バスが来たため、ユーザー認証を待たずに市内中心部へ戻れたのだけど(苦笑)。

上海・鎮江・揚州・蘇州におけるシェアサイクルの状況

上海ではシェアサイクルのサービスを提供する会社が多数入り乱れ、数種類の自転車が至る所に放置されていたのだが、他の都市ではどうだろうか。

鎮江の街中

まずは鎮江から。鎮江の街中ではほとんどシェアサイクルの自転車を見ることはなかった。電動バイクが市民の移動の手段として確立されており、自転車の需要がないからであろうか。シェアサイクルのサービスを提供する会社が1社のみあったが、停車場所として決められたスペースは目に入ってきたが肝心の自転車はほとんど見えなかった。

揚州の歩道にて

次は揚州。揚州の街中ではほどよい台数のシェアサイクルの自転車が普及しているようだった。上海ほど多くなく、多すぎて歩道を占拠しているような場所もなかった。

揚州は地下鉄がないため、市内の公共交通といえば路線バスのみになる。市内の行きたい場所は2kmほど離れた場所がほとんどだったため、シェアサイクルによる移動は便利だった。

蘇州の地下鉄駅近く

最後は蘇州。蘇州の街中では固定された場所から乗り、固定された場所に返却するというサービスのみの提供で、どこでも乗り捨て可能なサービスはなかった。そのため、街中にシェアサイクルの自転車があふれているということもなかった。

上海と江蘇省の三都市(鎮江・揚州・蘇州)はいずれも電動自転車が普及しているという点では一致した背景があるが、上海はとりわけシェアサイクルの自転車の台数の多さが目立った。現地に住む人、あるいは外から来た人の割合も影響しているのかもしれない。

シェアサイクルの今後

さて、私が体験した2017年8月時点では、中国のシェアサイクルは、どこから乗ってもいいし、どこで乗り捨ててもいいというかなり自由度の高いサービスだった。これは交通手段のない一時的居住者や旅行者にとっては便利きわまりないサービスなのだけど、自分で交通手段をもっている長期居住者にとっては全くもって迷惑なサービスであるかもしれない。

増えすぎたシェアサイクル用の自転車が大量に廃棄されたり、乗り捨てられる自転車が歩道を占拠し歩行者が歩きにくい事態になったりとサービスの継続に重大な問題があることは確かだ。上海市当局はいち早く規制の姿勢を見せ、新たな自転車の投入を制限したり、違法な停車とみなした自転車を強制撤去するとしている2

本日より、モバイクの日本法人により札幌でのシェアサイクルサービスが開始される3そうだ。日本でのユーザー登録はもちろん日本発行のクレジットカードでの決済ができるらしい。

中国で普及し日本へ入ってきたこのサービスがどのように普及していくのか。中国内のサービスはどの程度規制されていくのか。今後の展開に注目したい。

脚注

  1. ※この記事は2017年8月上旬、モバイクが日本でのサービスを開始する前の体験を元にして書いています。
  2. 【新华网】投放过度引发诸多问题 上海暂停新增投放共享单车:2017/8/22付け記事。上海におけるシェアサイクル自転車の台数が数々の問題を引き起こしているという内容。
  3. 【日本経済新聞】中国モバイク札幌で自転車シェア :2017/8/17付け記事。8/22は開始イベント開催で翌8/23より一般にサービスを提供するとのこと。