蘇州旅行記~網師園の“夜游”を体験~

蘇州にはユネスコ世界遺産に登録された庭園がいくつかある。今回はその中でも夜の催しで有名な網師園网师园 Wǎngshīyuán)に行った時の話だ。

スポンサーリンク

網師園の概要と行き方

網師園はユネスコ世界遺産の蘇州古典園林苏州古典园林 Sūzhōu gǔdiǎn yuánlín)のうちの1つである。南宋時代の1174年創建と伝わり、現在は中国国家級の文化財に認定されている。

場所は観前街の南2kmほどのところにある。最寄りの地下鉄駅は1号線の臨頓路临顿路 Líndùnlù)だが、最寄りとはいえ1.5kmほど離れている。路線バスのバス停が近くにあるので、1.5kmも歩くのは大変という場合は路線バスによる移動が便利だ。

網師園がユネスコ世界遺産に登録されたのは1997年。このとき登録された庭園は留園、拙政園、網師園、環秀山荘の4つ。2000年に追加で滄浪亭、獅子林、芸圃、藕園、退思園の5つが登録されたため、現在の蘇州古典園林は全部で9つある1

実はこの庭園群、それぞれに特徴があり、最も規模が大きいのは留園、珍しい太湖石で印象的な獅子林など、突出した印象を残す庭園もあるのだが、網師園は特に目を引くモノがあるわけでもなくあまりパッとしない。もし昼間だけ行ったら「うーん、こんなものか」という感想をもつかもしれない。しかし網師園は夜の催しが特徴的である。冬をのぞき、夜游夜游 Yèyóu)というプログラムがあるのだ。

この網師園の夜游、入口で係員に聞いたところ、2017年は3月~11月の間、毎日やっているとのことだ。時間は19:30~22:00。庭園の中で古楽器の演奏を聴いたり崑曲を見たりすることができる。3月と11月の時期は念のため公式サイト2で開催状況を調べておくとよいだろう。

まずは19:30に着くように観前街より移動した。

網師園北出口

K204路という路線バスに乗り、十全街の網師園北というバス停に到着。そこから網師園へ向かう。目の前に見えてきたのは北門でこちらは出口専用だそうだ。

網師園入口

路地をぐるっとまわって入口の方へ歩く。道が暗く、電動バイクが音もなく近づいてくるので注意深く歩いた。この道の突き当たり右側が網師園の入口だ。

夜游を堪能する

入口で入場券を買う。夜游の入場券は1人100元。昼間に庭園を見るだけなら入場券は40元(オフシーズンは30元)なのだが、夜は倍以上する。しかし、その金額を払って入る価値はあるだろう。

網師園の中に入った時刻は19:35だった。漢服を着た係員に団扇をもらい、入口に集まっていた20人ほどの集団について行くよう言われる。どうやらその1団に1人のガイドがつき、中国語で解説をしてくれるようだ。集団の中に1人、見た目ですぐ外国人と分かる女性がいたため、ガイドは英語を交えながら紹介していた。歴史的経緯、それぞれの部屋の謂われなど、丁寧で詳しい解説だ。

さっそく古楽器の演奏を聴く。横笛、琵琶、揚琴のトリオだ。心地よい音色にしばし耳を傾ける。

黒い服を着た演者は普通話で、青い服の演者は蘇州語で話していた。

次は蘇州評弾と呼ばれる弾き語りの演目だ。扇風機が目に入るが、この日はうだるような暑さで、日中は気温38度前後はあったと思う。陽が落ちても気温はさほど下がらず、30度は超えていたと思う。それでも入口でもらった団扇のおかげでなんとかしのげた。

琴と舞の組み合わせ。

華やかな女性の演者たち。至近距離で見られるのがありがたい。

こちらは最初の導入部分の動画だ。

崑曲は網師園の中庭をフルに活用した動きのある演目だった。最初遠くにいたと思ったら、劇の最中に移動して最後には自分の目の前に演者が来たのでビックリした。

他にも音の太い縦笛や少し落ち着いた音の古琴の演奏なども聴いた。ガイド付きで一通り見た時間は1時間ほど。その後は自由時間ということで、庭園内をもう1回ぐるっとまわった。

注意事項

今回、網師園の夜游について、気づいた注意点が2つあるのでここに書いておこう。

1つめの注意点は、できるだけ開始時刻に行った方がよいということだ。時期や曜日によるかもしれないが、古楽器の演奏者や古劇の演者はけっこう早く帰ってしまう。時間が遅くなるにつれて、演目の数が少なくなってくるのだ。私が網師園に入ったのは19:35、出たのは21:20ごろである。演目のほぼ全部を見ることができたが、出るころには演目が半分以下になっていた。なるべく多くの演目を見たい場合は開始時刻と同時に入場できるよう、早めにたどり着いておいたほうがよい。

2つめの注意点は、街中にある旅行社がいい加減なことを言うので真に受けないようにするということだ。観前街に、各名所旧跡の入場券を5割引きで販売中という旅行社がいくつかあり、そこに網師園の夜游について聞いてみた。すると「網師園なんて行ったっておもしろくない、夜は5時で閉まる」などということを言う。恐らく1日ツアーか何かを売るための方便なのだろうが、こういった旅行社は相手にしないほうが無難だろう。

以上、網師園の“夜游”体験記事でした!

脚注

  1. 【UNESCO】World Heritage List – Classical Gardens of Suzhou:ユネスコの世界遺産リストを掲載したウェブサイトにある蘇州古典園林のページ。
  2. 【网师园】官方网站:網師園の公式ウェブサイト。